小学校の時に成績が悪くても、中学校へ行ってから伸びる子がいる。その逆もある。
このことについて考えてみたいと思う。
成績の悪い子の親は、わが子のことについて、3つのタイプに入るような態度を取っている。
第一は、あきらめてしまう人。
第二は、あきらめかかっているけれど、そのうち何とかなるだろうと考えている人。
第三は、今はこれでよいと考え、そのうち何とかなると考えている人。
この中で、一番多いのは第二のタイプである。次いで第三のタイプである。
では、「何とかなる子」と「何とかならない子」はどこが違うのだろうか。
私の経験からいくと、この二つにはかなり明白な違いがある。
「何とかなる子」は、継続的に努力することができる子である。
「何とかならない子」は努力を継続することが極端に弱い子である。
例えば、あらかじめ予告した十問の漢字テストをするとする。
「何とかなる子」はこのような場合、いつも満点かそれに近い点を取る。
あらかじめ練習さえすればできるということはこつこつとやる。
しかし、「何とかならない子」は予告してあっても悪い点を取る場合が多い。
「やればできる」のだが、「続けることができない」わけである。
「知能テストがよい」ということは、たいした才能ではないが、
「やることをやる」「続けてやれる」ということは必要な才能であると考える。
私が新卒のころに受け持った子供で、大変に頭の回転が速い子がいた。
発言も活発で、絵を描くこともスポーツも得意な子だ。成績も大変良い子だった。
ただ、この子には欠点があった。
予告した漢字テストの練習を極端にやらないことと、日記をほとんど書かないことだった。
しかし、それ以外はとても優秀だった。
何度か注意したり、話しあったりしたのだが、一時は努力しても続かなかった。
私は一抹の不安はあったが、この子はこの子でいいではないか、
毎日こつこつ勉強する子より、よほど子供らしい子だと思っていた。
そして、そんなことはたいしたことがないとも思っていた。
その子は中学に派入り、学年が上がるにつれて成績が下がり、卒業のころには最下位近くになったいた。
その子と同じクラスに逆の子がいた。
その子はクラスで最下位の成績だったし、知能検査の結果も良くない子だった。
スポーツも得意ではなく、発言することも下手だった。
でも、漢字の練習はきちんとやるし、日記は一ページを下書きして毎日必ず書いていた。
でも、それ以外の勉強は思わしくなかった。しかも、日記の文なども大変下手で、
二年も書いていて、一向に上達しなかった。
一生懸命やっているのに、ちっとも良くならないのだ。
私はついに励ます言葉もなくなるほどだった。
しかし、次のように言い続けた。
「絶対あきらめるんじゃない。努力を続ける限り、必ず上達するときは訪れるのだから・・・」。
中学に入ってもぱっとしなかった。
中学2年の時、少し良くなった。
そして、中学3年生の時、いくつかの学科で学年一位、二位の成績をとるようになった。
私は学年で一位だから良かったと言っているのではない。
子供の願いをかなえるために、それなりの必要なことを、
それなりの見通しを持たせることが必要だといいたいのだ。
向山洋一
「子どもを動かす法則と応用」より。
学校での漢字の十問テスト・・・・・
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